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建築物エネルギー消費量調査44報(ダイジェスト版)



 本編は「ダイジェスト版」であり、調査結果についての概説である。調査結果に関する詳細については『令和3年度 建築物エネルギー消費量調査報告書第44報』をご覧ください。

建築物エネルギー消費量調査44報「ダイジェスト版」(2.4MB)をダウンロードLinkIcon

1.「建築物エネルギー消費量調査報告書」について

 「建築物エネルギー消費量調査報告書」は、(一社)日本ビルエネルギー総合管理技術協会の加入会員会社の管理しているビルを対象に毎年1回行っている調査報告である。
 ビルに関連する管理会社名・建物名・所在地・竣工年・改修年月・建物用途比率・延床面積・空調対象面積・階数・設備仕様に関する事項、省エネルギー対策に関する事項など建物固有の内容で、基本として変更する必要がない項目や月単位の買電電力[kWh/月]、油[L/月]、ガス[㎥/月]、水道[㎥/月]の消費量に加えて、平成11年度版からは常用自家発電電力量[kWh /月]を調査している。さらに、当該年度の年間最大電力の発生日の電力値、冷暖房の運転期間も調査している。

2.ダイジェスト版の見方と活用について

 「建築物エネルギー消費量調査報告書」は、過去40年以上にわたり継続的にほぼ同じ項目について調査し、分析データの判断は見る側にゆだねるという観点から、その集計データのみを提供してきた。このため、同じような表とグラフの羅列となっており、これらのデータを有効に活用できるようダイジェスト版を発行している。ダイジェスト版では建物用途別の年間一次エネルギー原単位の平均値を示した表とグラフの抜粋を掲載している。これにより、管理しているビルがどの位置にあるか判断することが可能である。
①一次エネルギー原単位の評価
 一次エネルギー原単位の比較評価が可能である。管理しているビルの実際の算出値と建物用途別の年間一次エネルギー消費量や一次エネルギー原単位の平均値及び単純平均値と比較して、管理ビルの値が平均値より多いか少ないかの評価をする。
 「多い」評価の場合は、効率の悪いエネルギー消費をしている可能性があり、省エネルギーの余地があると考えられる。省エネルギーを行うには、詳細の解析が重要で、用途別エネルギー使用量の算定や、各種の詳細な診断等を行う必要がある。
 これらの手法については省エネルギーのやや専門的な知識を必要とするため、(一社)日本ビルエネルギー総合管理技術協会発行の「ビル省エネルギー総合管理手法」の省エネルギー事例編を御参照願いたい。
②その他データの比較
 そのほかに、各項目との関連付を行った解析、経時変化分析、各種設備機器などの原単位等の算定した値を管理されているビルの値と比較・検討する事で無駄の排除や改善等の参考資料として活用することも可能である。

3. エネルギー消費量等の算定について

①エネルギー原単位について
 エネルギー使用量をエネルギー消費と関連のある量で除した値であり、エネルギー消費効率を比較するための単位である。(経済産業省資源エネルギー庁 HPより)ここで用いている MJ/㎡・年とは、ビルで使用されている電気・ガス・油等の単位熱量が違うため換算係数を用いて種類の異なるエネルギーを一次エネルギーに換算することにより他ビルとの比較を可能にする為に使用されている。年間当たりでの単位にしているのは、年間では四季がありエネルギー使用量の変動があるためで、四季の変化の影響によって比較する事が難しくならないようにするためである。
②ビルのエネルギー原単位の表示方法
 管理しているビルのエネルギー消費状況を他のビルと比較する場合、ビルごとに消費エネルギーの構成に違いがあるため、単に電力・油・ガス・水道の消費量を列記しても、エネルギー消費量の比較評価が難しい。
 「建築物エネルギー消費量調査報告書」では、各ビルから提出された調査表の電力・油・ガスの各エネルギー年及び月間消費量ついて、単位延床面積[㎡]当たりの消費量として[kWh/㎡・年]、[L/㎡・年]、[MJ/㎡・年]などを「建物用途」別に集計している。電力会社では石油・石炭・天然ガス・原子力などを発電燃料として使用していることが多いことから、電力はこれらの燃料の熱量に換算した「一次エネルギー」も併記した。油・ガスについても消費量のほか、使用油・ガスの単位発熱量から熱量換算した「一次エネルギー」を併記している。
 「ビルのエネルギー原単位」は、電力・油・ガスの熱量換算した一次エネルギーの値の総和を延床面積で割った値[MJ/㎡・年]とし、この値で比較評価を行っている。平成10年度版までは[Mcal/㎡・年]としていたが、平成11年4月からSI単位に移行したため、[MJ/㎡・年]としている。
③ジュール(J)とカロリー(cal)について
 ジュールとは新しい熱量を表す単位で、1999年までカロリー(cal)で表示していた単位に変わるものである。1ジュール(J)は102gの物体を1m持ち上げるのに要するエネルギーである。1gの水の温度を1℃上げるために必要なエネルギーが1calである。1calはおよそ4.18Jである。

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